東京の茶会

知識・コラム

東京のお茶会ガイド参加方法・主な会場・初心者向け解説

東京でお茶会に参加してみませんか?

東京は、おそらくですが、日本でいちばんお茶会の多い街です。 上野の博物館、南青山の美術館、江戸の大名庭園、神社の茶室、流派の稽古場。 都内のどこかで、毎週のように誰かが釜を掛けています。

「茶道って敷居が高いんでしょう?」とよく言われます。 たしかに茶事はそうかもしれません。でもお茶会は違います。数千円で、予約なしで、洋服のまま入れる会が、東京にはいくらでもある。 このページでは、会場・参加のしかた・お金の話まで、実際に行くのに必要なことをまとめました。

江戸から続く、東京の茶道文化

そもそも、なぜ東京にこれほど茶会があるのか。話は江戸開府まで遡ります。 徳川家康をはじめ歴代の将軍が茶の湯を好み、参勤交代で全国の大名が国元の茶の文化を江戸へ持ち込んだ。 大名屋敷の庭には競うように茶室が建てられ、江戸の町に茶の湯が根を張っていきます。

次の波は明治でした。今度は実業家たちが、道具に情熱を注ぎます。 根津嘉一郎、五島慶太——彼らが集めた名品は、いまも根津美術館や五島美術館に伝わっています。 しかも面白いのは、それらが展示ケースの中だけの話ではないこと。 同じ敷地の茶室で、実際にお茶がふるまわれています。

そうして400年ぶんの蓄積の上に、いまの東京があります。 表千家・武者小路千家・裏千家をはじめ各流派の拠点が置かれ、 茶道人口は全国でも最大規模。つまり、探せば必ず見つかる街なのです。

東京でお茶会に参加する3つの方法

1

公開茶会に行く

流派や団体が開く「大寄せ」の茶会。経験は問われず、当日券の会も多い。2,000〜5,000円ほど。

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2

呈茶席に行く

庭園やホテル、展望台の茶室で、日を選ばずに一服できる席。予約不要のところもある。1,500〜5,000円ほど。

いつでも抹茶がいただける茶室を見る →
3

月釜に通う

毎月決まった日に同じ場所で開かれる茶会。席主が月ごとに替わり、通うほど違いが分かる。予約不要の会もある。

都内の主な月釜を見る →

東京の主なお茶会会場

会場そのものが見どころです。将軍家の庭、大名屋敷の跡地、移築された公家の茶室。 東京の茶会は、ほとんどが歴史のある場所で開かれます。以下は代表的なところです。

東京の茶会会場

茶会の会場へ向かう

東京国立博物館 九条館(台東区上野公園)

日本最大の博物館の庭園内に建つ茶室「九条館」は、もとは京都・九条家の邸宅を移築したもの。月2回ほど各流派が持ち回りで茶会を開催。博物館の入場券があれば参加できます。上野駅から徒歩10分。

根津美術館(港区南青山)

実業家・根津嘉一郎の茶道具コレクションを所蔵する美術館。広大な日本庭園の中に数棟の茶室を持ち、茶会も定期的に開催されます。表参道駅から徒歩8分。

浜離宮恩賜庭園(中央区浜離宮庭園)

江戸時代に将軍家の庭園として造られた潮入り回遊式庭園。春の観梅・秋の紅葉シーズンを中心にお茶会が開催されます。新橋駅・汐留駅から徒歩数分。

六義園(文京区本駒込)

柳沢吉保が造営した回遊式築山泉水庭園。しだれ桜と茶室が名高く、節目の季節にお茶会が行われます。駒込駅から徒歩7分。

新宿御苑(新宿区)

都内有数の広さを誇る国民公園。旧御凉亭(旧皇室ゆかりの建物)などを会場に茶会が開催されることがあります。

小石川後楽園(文京区後楽)

水戸藩上屋敷に造られた江戸初期の大名庭園。季節の行事に合わせたお茶会が開かれます。後楽園駅・水道橋駅から徒歩数分。

大本山護国寺(文京区音羽)

五代将軍・綱吉の母・桂昌院の発願で建立された由緒ある寺院。境内に複数の茶寮を持ち、月釜・音羽茶会(毎年11月)・慈善茶会など東京の茶道の主要拠点となっています。護国寺駅すぐ。

靖国神社(千代田区九段北)

「洗心亭」「靖泉亭」「行雲亭」の3つの茶室を持つ。桜の季節の野点をはじめ、茶道各流派による茶会が開催されます。九段下駅から徒歩5分。

※ 各会場のお茶会開催情報は時期により変動します。最新情報は各施設の公式サイトまたは当サイトのイベント情報でご確認ください。

都内で、いつでも抹茶がいただける茶室

「茶会の日程に合わせるのは難しい」という方には、日を選ばずに一服できる呈茶席があります。 ホテルや庭園の茶室で、抹茶と季節の菓子を出してくれる場所です。 作法は求められません。椅子席のあるところも多く、茶道が初めての人にも向いています。

八芳園 茶室「夢庵」港区白金台

日時
金・土・日・月曜 11:00〜15:00
料金
抹茶と菓子 1,815円(税・サービス料込)

予約不要。日本庭園を散策する途中に立ち寄れる、都内でいちばん気軽な呈茶席のひとつ。公式サイト

帝国ホテル東京 茶室「東光庵」千代田区内幸町

日時
月〜土曜 10:00〜16:00(日曜・祝日は休み。1〜5名は最終受付15:00)
料金
5,000円

流派を問わない本格的な茶室。貸切や季節の休みがあるので、電話またはオンラインでの事前予約が勧められています。公式サイト

The Okura Tokyo 茶室「聴松庵」港区虎ノ門

日時
火・木・土曜 12:00〜16:00(最終入店15:30)
料金
3,000円(税・サービス料込)

前日までの要予約。裏千家の「又隠」を写した茶室で点茶を受けられます。公式サイト

浜離宮恩賜庭園「中島の御茶屋」中央区浜離宮庭園

日時
開園日の日中(庭園は9:00〜17:00)
料金
抹茶と和菓子のセット(料金は現地で確認)。別途入園料300円

池に浮かぶように建つ御茶屋。予約不要で、庭園散策の途中にそのまま入れます。公式サイト

六義園「吹上茶屋」文京区本駒込

日時
開園日の日中(庭園は9:00〜17:00)
料金
抹茶と季節の上生菓子のセット(料金は現地で確認)。別途入園料300円

池を眺めながらの一服。しだれ桜や紅葉の時期は混み合います。公式サイト

東京タワー「朝茶の湯」港区芝公園

日時
第2・第4土曜 8:15〜 と 9:00〜(メインデッキ)
料金
公式サイトで確認

展望台で朝に開かれる茶道体験。裏千家の資格を持つスタッフが点て、持ち物不要・椅子席もあります。公式サイト

東京都庭園美術館 茶室「光華」港区白金台

日時
年に数回の呈茶(2026年秋は10月17日・5席制)
料金
1,200円(薄茶と菓子)。別途入館料

常設ではなく、事前申込・抽選。重要文化財の茶室で一服できる貴重な機会です。公式サイト

※ 2026年10月時点で各施設の公式サイトを確認した内容です。曜日・料金は変わることがあるので、お出かけ前に公式サイトでご確認ください。

都内の主な月釜——毎月決まった日に開かれる茶会

月釜(つきがま)は、毎月決まった日に同じ場所で開かれる茶会です。 席主が月ごとに替わるので、通うほどに道具や趣向の違いが分かってきます。 一般の参加を受け付けている都内の月釜をまとめました。

東京茶道会 月釜(大本山護国寺)文京区音羽

開催日
3・4・5・6・10・11月は第2日曜、12月は第1日曜。9:30〜15:00頃
会費
ビジター6,000円

10流派以上が加盟する東京茶道会の月釜。複数の席を回れるので、流派の違いを一日で見比べられます。2月は会員のみ。詳細

志満金 施茶釜(茶室 山庵)新宿区神楽坂

開催日
毎月第1土曜(1月を除く)10:00〜15:00(受付14:00まで)
会費
お気持ち(全額が寄付されます)

予約不要・流派不問。老舗うなぎ店の地下の茶室で、思い立った日に行ける珍しい月釜です。詳細

獨楽庵 月釜(桑都茶苑)八王子市

開催日
月1回、おおむね第2土曜(2026年は9/12・10/10・11/15・12/12)。11:00・12:30・14:00の3席
会費
1,500円(各席5名)

オンライン決済での事前申込。少人数で席主の話をゆっくり聞けます。月例の濃茶席もあります。詳細

佳芳庵茶会(佳芳庵益田屋)新宿区百人町

開催日
毎月開催(日程は要確認)
会費
要確認

要予約(電話03-3362-3281)。茶道の心得がない人も参加できます。新大久保駅から徒歩3分。詳細

欠伸茶会 月釜(茶室 龍生軒)府中市

開催日
毎月第2日曜(月により変更あり)。受付8:20〜15:00
会費
会費5,000円(濃茶・薄茶)

肥後古流・細川三斎流。流派にとらわれず誰でも参加できます。申込は Instagram のフォームから(予約優先)。詳細

※ 2026年10月時点の情報です。開催日・会費は各会の案内でご確認ください。月釜の日程は月釜の一覧にも載せています。

東京大茶会——東京を代表する秋の茶会

もし「まず何かひとつ行ってみたい」というなら、東京大茶会をおすすめします。 東京都が主催する、日本でも最大規模の公開茶会。舞台は浜離宮恩賜庭園と江戸東京たてもの園です。

何より贅沢なのは、表千家・武者小路千家・裏千家をはじめ複数の流派が同じ日に釜を掛けること。 普段なら一生かかっても見比べられないお点前の違いが、一日でわかります。 経験ゼロの人も、海外からの旅行者も入り混じる。とにかく間口が広い会です。

開催時期
毎年10〜11月
会場
浜離宮恩賜庭園・江戸東京たてもの園
主催
アーツカウンシル東京(東京都歴史文化財団)
参加対象
初心者・外国人も参加可

※ 開催日程・詳細は毎年変わります。最新情報は公式サイトでご確認ください。

東京のお茶会 費用の目安

種類費用の目安特徴
大寄せの茶会2,000〜5,000円初心者向け・当日参加可が多い
美術館・庭園の茶会3,000〜8,000円入場料込みの場合もあり
流派主催の正式茶会5,000〜15,000円点心や懐石が付く場合も
体験茶会・カルチャー1,000〜3,000円初めての方に最もおすすめ

初めて参加するときの持ち物・服装

石畳に置かれた下駄

持ち物

  • —懐紙(かいし): お菓子を受け取る際に使います。100円ショップでも購入可
  • —菓子切り(かしきり): あると丁寧ですが、なくても大丈夫な会がほとんど
  • —白い靴下: 洋装の場合は必須。草履を脱いで茶室に上がります
  • —扇子: 茶席では挨拶の際に膝前に置きます

服装

  • —洋装でもOK: 大寄せの茶会なら洋服で参加できる場合がほとんどです
  • —着物: 色無地・訪問着が定番。雰囲気がよく出ます
  • —避けるべきもの: 派手なアクセサリー・香水・時計(茶碗を傷つけるため)
  • —靴: 脱ぎ履きしやすい靴が便利です
作法については、正直あまり心配いりません。前の人を見て、同じようにやれば十分です。受付で「今日が初めてで」と一言添えれば、たいていどなたかが横について教えてくれます。 そもそも茶席は、互いを気づかうための場ですから。

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